-
関の刃物
鎌倉時代から室町時代初期にかけて、関鍛冶の刀祖とさせる「元重」と「金重」が関に移住したことによって、関の刃物800年の歴史が始まります。鞴(ふいご)が熱い息を吹く、灼熱色した塊が火花を放ち、槌音が響く。熱を一気に呑み込むような水の音・・・・そこには鍛冶職人の汗とともに「モノづくり」に賭ける精神(こだわり)がありました。 「鉄」「水」「松炭」「焼刃土」を四位一体で使用し、鍛造される関刀は最も美しく、洗練された日本刀であると云われています。また「関伝」と呼ばれる独自の鍛刀法によって頑強で切れ味鋭い刀を作る、夢のような刀剣製造は、誉れ高いものです。 こうして生まれた関の刃物製造の技法とモノづくりの精神は、幾多の歳月の中で脈々と受け継がれ、今でも関の刃もあの産業の随所に生かされ関を「世界三大刃物産地」の一つとして知らしめています。